第1章 色男誘惑上手
さらに心臓が悲鳴をあげていると
「あんなふうな人がタイプなんですか?」
「え?」
「さっきからずっとあの人のこと見てるから」
「タイプなのかなと思いまして」
いきなりその通りなことを聞かれたので困惑していや、その〜と歯切れの悪い返事になっていると例の彼がいた窓側の席から。
「へえ、ああいう人がタイプなんですね」
「私、なにも言ってないで、す・・・」
なんかもう確定されちゃったよ!
でも、そうです、あなたのおっしゃるとおりどストライクですよ!
どストライクすぎるので3回もファックしましたよぉ〜!
あ〜、恥ずかしい。
私はうつむき気味に残りのケーキを口に運びはじめた。
これじゃ、すごく美味しいはずのケーキの味がわかりません。
無味。
「ちなみに僕は○○さんみたいな女性がタイプです」
「え!」
ほっぺたに食べ物を貯蔵する動物ですと言わんばかりにケーキを口に詰め込んでいるとイケメンボイスCDか?と思わせるような甘い台詞が聞こえてきたので顔を上げるといつのまにか頬杖をついていた香月さんがまとも爽やかな笑顔でこちらを見つめている。
「そんなにほっぺをパンパンにして可愛いですね」
「そんなに急いで口に運ばなくてもケーキは逃げませんよ」
この人、いま、私に可愛いと言った!?
すみません!と急いで飲み込んだがこの甘〜いムードはとてもじゃないけど飲み込めずにいるとまたも窓側の席から視線を感じるので目を向けるの長いおみ足を優雅に組んでソーサーを持ってティーカップを口につけてひとくち飲むと
また微笑んだ。
さっきからなんなの!?
内なる私は頭を抱える。
「今度の打ち合わせはランチできるところでしませんか?」
香月さんから仕事という名のデートのお誘い。
はやくこの場を去りたかった私はいいですね!そうしましょうと答えた。
「じゃあ、決まりですね」
そろそろ時間なので僕は行きますとクリームパフといちごタルトとモンブランを半分ずつくれた身も心も清楚イケメンな香月さんは爽やかでまぶしい笑顔を私に向けてくれた。