第1章 色男誘惑上手
私の傷ついた心なんかおかまいなしに通常通り月曜日がやってきた。
今日は取引先の会社の人と都内のホテルで打ち合わせ。
会社を出てタクシーに乗り込み行き先のホテルをつげる。
このまえのリムジンのように最高の乗り心地でもないし運転席に座っているのは高城さんでもない。
ことあるごとに彼との思い出に浸ってしまうのはきっと恋してしまっているからだろうがこれも1か月もすればいい思い出になってくれるはずだ。
彼との思い出を振りはらうように頭を左右に振り邪気退散してしてこれから仕事!と自分に言い聞かせた。
タクシーが歩道に寄りはじめたのでここかと窓からホテルに視線を向けたがそのホテルは一昨日みたそれは大層ご立派で超絶イケメンと3回もファックしてしまったホテルだった。
どうしよう、今日の打ち合わせ上手くいかない気がしてきた。
気まずさを感じながらホテルのロビーに入り待ち合わせ場所であるレストランに入ってロビー側の席についた。
予定の時間より15分はやく着いてしまったが飲み物を頼んでゆっくり待つことにした。
程なくして取引先の人が姿を現した。
黒髪のナチュラルおしゃれヘアに清楚なカジュアルファッション。
手足もスルリと長くスタイル抜群。
これまた爽やかな笑顔を惜しげもなく私に振り撒けてこちらに向かったきた。
今日もかっこいいですね。
「お待たせしました!改めまして香月晴斗です。今日はよろしくお願いします。」
「○○○○です。こちらこそ宜しくお願いします。」
二人は着席すると飲み物を頼み打ち合わせをはじめた。
打ち合わせを進めながらもこれから定期的にこの人に会えるんだ〜などと彼の綺麗な横顔を眺めながら一生懸命に説明してくれている彼をよそに考えていると彼がなにかに気付いたかのように資料から顔を上げた。
「以上で一通りの説明は終わりです。」
あ、説明が終わったのですね。
不謹慎にも浮ついた考えを頭で巡らせていたことを申し訳ないと思いながらも平然として、ではこの通りに進めますねと返事をした。
「はい、宜しくお願いします」
「これからは毎週○○さんと会えると思うと嬉しいです」
え、私の心、読まれた?
でもこれは社交辞令だよね・・・
私も香月さんと会えるのが嬉しいですと彼に負けないように必死の笑顔で返すと彼の眩しい笑顔が帰ってきた。
敗北。
