第1章 色男誘惑上手
戸惑いを隠そうと急いでバッグを持ってレストランを出ようと彼を横切ると彼も立ち上がってこちらに向かってくる。
彼も出るのか。
ん?
彼が早歩きに見えた私は自分の歩くスピードもあげて玄関を目指そうとしたが距離が思ったよりも遠く、私より確実に足が長く、歩くのは早いだろうからこのままでは追いつかれてしまうので玄関よりも近かったエレベーターに乗るという選択をした。
私は急いでエレベーターに乗り込み適当に階数のボタンを押し、扉が閉まるのをドキドキしながら見つめると
「がぁあっ!」
ちょっ、心臓が止まったかと思った。
というかなぜがぁあっ!なの?
無言では止められなかったのか?
せめてなぜばぁあっ!ではないんだ!?
困惑している私をよそに彼はエレベーターの扉を両手で開けるものだから締まりかけていたエレベーターの扉は開きいとも簡単に彼の侵入を許してしまうと、彼はこのまえと同じように最上階のボタンを押した。
「あの、私、降ります」
私が開くボタンを押そうとすると彼が迫ってきて見事に壁に追いやられた。
「捕まえた」
いやん、この前とは打って変わってサディスティック変態キャラなの?
彼のムスクの香りと鼓膜をくすぐる声に子宮がキュウンと疼いた。
「どうして逃げるの」
逃げてませんと彼から顔を背けるとほら逃げるじゃないかと彼は私の顎をクイッと持ち上げると視線を強引に合わせ、顎にあった親指が下くちびるをなぞり、彼の顔が近づくと唇が触れそうな距離でタイミングよくエレベーターが到着の合図を奏でた。
ホッとしていると
「おかまいなしだ」
「え?」
状況を理解する間も無く彼は私の唇を奪った。
さらに子宮がキュウンと疼き、彼の口づけに酔いしれていると彼はこっちだよと私の手を引いてあの部屋に案内した。
部屋に着くなり彼は軽々と私を横抱きすると寝室のベッドに寝かせた。
え、なにこの状況。
「朝起きたらいないんだもんなぁ」
「ちょっと、いや、ものすごく寂しかったよ」
私は身体を起こすと彼は横に座り私の手を取っていやらしく触り始めた。
「どうして、いなくなったんだ?」
「答えたくないです・・・」