第5章 *the fourth would
……誘ってる?
…
?!!?!
「そ、そういう意味で言ったわけじゃ…!」
全く意図していなかったことで顔に熱が集まる。
ばっ、と上体を起こそうとすると一松に押されてバランスを崩した。驚いてきつく目を瞑った。
綺麗にベッドに倒れ込む。ギシりとスプリングが軋む音がした。
瞼をゆっくり持ち上げると、天井を見上げるはずが、そこにあるのは彼の顔。
「あ、あのそういえばね、今日ね、中村の様子が面白くてね、それで、その…」
慌てて話をそらそうとするが、地雷を踏んだことに気づかない。
「中村?…同僚って男?」
「へ?そうだ…よ…」
普段見ない、一松の眼差しに思わず口を噤む。
…お、怒って…る……?
あまり怒らない一松が見せた怒気に、身が竦む。
そうしているうちに顔が近づいてきて唇が重なった。それは性急に事を進めるように激しくて、突然のことに頭がついていかなかった。
「っん!…い、ちまっ、んぅ…待っ…!」
拒絶を見せても、一松の胸を押す手は彼につかまり押さえつけられた。
「…ごめん。今日は止まれない」