第5章 *the fourth would
一松の作ったご飯を食べて、お風呂に入って1日を終える。
「そういえばね、今日は同僚の仕事手伝ったんだー」
「そうなの?大変なんじゃない?」
ベッドでごろごろしながら話すのはいつものこと。
「…ううん、ちょっと疲れただけ。大丈夫」
「…俺は何にもできないクズだから…」
自分を貶す一松に自分を重ねる。
…最初は、共鳴りもあった。
きっと、どちらも同情もあったと思う。
でも、そんなのきっかけに過ぎない。
隣に寝転んでいる一松にすり寄る。
一松はいつもぽかぽか温かくて、安心する。
「…一松ってさ、あったかいよね…」
「…そう? 凛は手とか冷たいよね」
冷え症だからかな…
「じゃあ、一松が温めて?」
その瞬間、背中に回っていた彼の手がピタリと止まった。
「それって…誘ってるの?」