第5章 *the fourth would
彼は見つけてくれたんだ。
私の本当の姿を─────
素のときに襲われそうになって、助けてもらった。
出会いは単純。でも私が彼を好きになるのに時間は要らなかった。
私を受け止めてくれた人、優しい人。
「凛?」
「ん?なぁに?」
「…大丈夫?」
少しぼうっとしていて呼ばれていたことに気づかなかった。
心配をかけてしまったのか彼がこちらをのぞき込んできた。
「大丈夫だよ。ちょっとぼーっとしちゃっただけ」
「…無理しないでね」
きっとこの人が居なくなったら私は生きていけない。
この人に捨てられたら…なんて、考えたくもないや。