第5章 *the fourth would
「どんな、夢だったの?」
ようやく涙が止まり、落ち着いても私は彼の腕の中にいた。
「…よく、わかんないの…」
彼は何も言わない。私の次の言葉を待っているようだ。
「ただ、とても大切な人と離れ離れになってしまうような…もう二度と会えない、そんな夢だった気がする」
そんなこと…考えるだけで恐怖が襲ってくる。
私が…この人と離れるなんて…
またじわりと涙がにじむ。
そうすると私の考えを読んだかのように背中に回る手に力が入った。
「俺は…ここにいるよ」
「…うん」
顔を上げるとふわりとキスが落ちてきた。
「どこにも行かないで…一松」
あなたがいないと私は…
「ゴミはどこにも行かない」
「一松がゴミなら…私もゴミでいいよ」
そうしたら、一緒にいられる?
それくらいにあなたを愛してる。