第24章 繋がること

｢お前が意識を失ってから、カルマ達は…ってやめとくか。たまには難しいこと、考えない日があってもいいだろ｣

『…中也さん、何かいつもと違う…？』

｢…言えないだけでいつも思ってるさ……お前、今日は中也って呼ばねえの？｣

『！！は、恥ずかし…くてそのっ』

｢あー分かった、よく分かったもう今日は特別甘やかす。決めた｣

なんて話していると、マンションに到着したところで、建物から出てきた人物がこちらに近付いてくるのが見えた。

｢あれっ、蝶ちゃんに中原君じゃん？どうしたのこんな時間に、珍し…？…ええっと…すごい…あれだね？うん……蝶ちゃんに何かしたの？｣

｢俺じゃねぇよ！！！…うちの…ハニートラッパーの異能が変な作用のしかたをしちまってるんだ｣

｢それはまた…って、それなら探偵社のあの人にお願いすれば解決するんじゃな｢こんな可愛い蝶見たことねぇんだよ…！！！｣あっ、原因こっちか｣

『…トウェインさんとばっか話してちゃダメ』

｢｢しんどい…ｯ｣｣

むくれたように中也さんの服を引っ張ると、最終的にはそれをあやすようにして頭を撫でられる。

｢よし蝶、こんな奴放っておいて家に帰ろう｣

『！はぁい…♪』

｢ち、蝶ちゃんが己の欲望にのみ忠実になったことで僕へのフォローが…いや、でもそんなことされたらたまったもんじゃないねえ？中原君…｣

君この子からの束縛大好き人間だし

聞こえた言葉に、即座に反応する中也さん。

｢たまったもんじゃねぇよ…蝶、ケーキかプリンかクレープかパフェか、どれがいい？もう好きなだけ作ってやるよ今日は｣

『蝶、今日は中也さんがいい…』

｢あーもうお前一生家にいろ、飼うわもう｣

｢気持ちが理解できないでもないけど流石に引くよ中原君？｣

じゃあ僕買い物行くから、と言ってトウェインさんと別れ、そのまま中也さんと家に帰る。

玄関を開けて中に入れば、二人だけの場所。
私と中也さんだけの場所。

『…！…おかえりなさい中也さん。ご飯にする？お風呂にする？…それとも、蝶に…します、か…？』

｢お前誰に教えられたそれ？｣

『太宰さん』

｢そんな気はした……とりあえず飯だな。今日は俺が作る｣

『？蝶が作ります』

｢あー…じゃあ一緒に作るか？｣

まさかの提案に、一瞬思考が停止した。

『…は…はい…っ、！！』