第22章 云いたかったこと
そして迎えた翌日、クリスマス。
『……っん…にゃ…』
「…」
『…ぇへへ…中也さ____』
「!!?おまッ…起きて…!?」
『…っ?…はへ?』
朝からなんだか心地よくって、夢の中で中也さんの腕の中で甘やかしてもらって、いっぱいいっぱい撫でてもらって…
というのはどうやらほんとうに夢の中の話だったらしく。
「はへって…おはよう…?」
『!…中也さん〜…♪♪』
「お前寝惚けてんだろ絶対…あ〜…絶対ぇ他の奴らにすりよんなよ」
『蝶…中也さんの……えへ…』
「………幸せそうにしてくれてんのはいいがそろそろ俺が何か踏み込んじゃいけねえ領域に足を踏み入れかねねえ…起きろ蝶、頼む、起きてくれ一生のお願いだ」
なでこなでこと更に優しくなる中也さんの手の感触に余計に気分が良くなって、ふわふわした気分で腕を回して甘えよる。
こんな感覚知ってるなぁ…
『__さん…♪』
「!…蝶…?」
『久しぶりなの…澪、ただいましに来たよ…♪』
「……おう、おかえり」
『…大好き……ずっと一緒…に……』
「……蝶、朝だ!!ほら起きるぞ!今日はクリスマスなのにいいのか?寝てばっかりの奴にはケーキやらな『ケーキ!!?…っ?中也さ…ん…』…おう、俺だ」
変な感覚。
飛び上がって目に入ったのは中也さんで、これがいつもの光景で…。
人に触れられながら寝られる世界なんて久しぶりで、変なこと思い出しちゃった。
『…中也さん…蝶、何か言ってた…?』
「……俺の名前呼びながら甘えてきて離れなかっ『あ、わ、わわわわ分かりました…!!!』…プッ、…んな恥ずかしがんなよ。なんなら今からでも甘えてきてくれていいんだぜ?」
『!!…中也さん、は……蝶、と…ずっと一緒にいてくれる…?蝶の事どこかにやっちゃったりしない…ッ?…置いてっちゃったりしな…っ?』
「しない…そんなことするくらいならお前に殺された方がよっぽどマシだよ………怖い夢見た?」
『……いい夢、見たから…嫌なの』
全部無くなっちゃうって分かってるから。
貴方を私の都合に巻き込むわけにはいかないから。
「…んじゃ、その夢よりいい毎日過ごさせてやるよ…ほら、おいで蝶」
『え…っ、あ…』
両手を広げられて、そこに吸い込まれるように手を伸ばしかければ、腕を引かれて中也さんの腕に包まれる。
「今日はいっぱい甘えろよ」