第22章 云いたかったこと
いただいた書類の中身をいくら確認してみても、一人で挑ませるようなものではない…
紅葉さんのような幹部格の人間ならまだしも、だ。
それであったとしても普通は人数を揃えて向かうはず。
それに…
『……酷い期限ね』
中也さんがわざわざ頑張って取ろうとしてる休みに被せるような量と期限。
…私ができないとでも思ってるのかしら?
『見くびられてる…ふざけないでよ』
「!…蝶ちゃんかい?」
『…森さん』
廊下でばったり…という表現が正しいのだろうか?
『……どうしてこの廊下へ?』
「君が呼ばれたと聞いてね…」
『やっぱり…中也さんには内緒ですよ?これは』
抱えた大量の書類と、その内容…
「やるつもりかい?…首領は物事をちゃんと考えられる状態でも、自力で動ける身体でもない。他に相談してみても…」
『やれますよ、この程度…中也さんには絶対言わないでくださいよ?…中也さんがお休み取るまでに終わらせますから』
扉を作って、そこに手をかける。
「待って、どこに行くんだい?」
『半分くらい終わらせてきます…内容も資料も把握しました。これくらいなら…』
能力一つで、終わりますから
言い切ったところで森さんが少し怯んでしまい、殺気が溢れてしまったかと反省をする。
『……それじゃ、中也さん食堂で待たせてしまってるんで…まだ私が首領とお話中の体でお願いしますね?』
「…どれくらいで終わりそうなんだい」
『!…八件なので…十分もあれば。……殺すのは私の十八番ですよ?森さん』
「絶対にだよ。十分して中也君の所に戻らなかったら、中也君に向かわせるからね?」
言われた言葉に何も返さず、扉の中へと移動した。
移動して、認識した人物…相手組織の人間から、同時に酸素を奪っていく。
呻き声をあげることもできずに、ただただ苦しむ人間がそこに存在するのみ…
ただ今回は時間もないし、遅くなってしまうと中也さんに勘づかれてしまうだろうから。
「「「「!!!?」」」」
次の目的地へ扉を作って、その中に敵組織の人間を全て移動させて…
それを繰り返していけば、最後の敵組織のアジトに全員まとめて収容できる。
そして、全員まとめて能力にかけられる…全員こと切れるのを、まとめて確認して帰ることが出来る。
重要なのは情を持たないこと。
酸素と…水分を奪ってしまえば終わり。