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第18章 縁の時間


「これがナプキン。とりあえず今はこっちを使うけど、動き回る時とか漏れるのが心配な時とかはタンポンで…」

『あ、ああああの、樋口さん!!』

「!どうしたの蝶ちゃん?」

『い、いえ、そのっ…女の人って、こんなに血がいっぱい出るんですか!?』

「出るわよ、それも周期的に……だいたい約一ヶ月周期で、一週間程ずつ」

内容が衝撃的すぎてキャパオーバーしそうだ。

え、何これ、こんなのと毎月戦ってるの、女の人すごい。
しかも一週間!?

昼、夜、多い日用、羽付き羽なしなどと様々な説明を受け、とりあえず今回汚してしまった箇所を綺麗にして、説明通りにナプキンとやらを使用する。

これオムツじゃなかったんだ、なんて、店頭に並んでいても横を無心で通り過ぎていた私は新たな知識に困惑する。

「……月経周期ってね、女の人にとってもパートナーにとっても大切なものなの。なんでか分かる?」

『!…分か…らない、です』

「…ふふっ、そっか。……教えてあげる、なんでかってね?…______」






シーツも浴衣も、化学分解によって綺麗さっぱり元の色。
そして私の頭はまだふわふわしたままで夢模様。

樋口さんは私にあらかたの生理用品を渡してから、まだ仕事があるからと出て行ってしまった。

お世話になった……が、今はそれどころじゃない。

「蝶ちゃん、入ってもいいかい?」

『……は、はい…』

「…邪魔す『中也…、さん……っ!!』…お、おう?…どうし……!?な、なんで泣いッ!!?」

慌てて駆け寄る中也に、涙が流れてるなんて事も気付かずに首元に腕を回して抱き着く。

『あ、のねっ!あの……っ、わ、私ッ…』

「どこか痛むか!?まだ気分が『そうじゃなくって…!!』!……どう、した…?」

『あ、の……ッ……って、樋口さんが…』

私の一言に、首領は微笑んでいて、中也は目を丸くしてまだ私を見つめていた。

「…………も、もう一回…頼む……」

『……ッ、あ、かちゃん……子供、産めるって………ッ!!』

「…子、共……ッ…!蝶、お前…」

『………やっと、中也…さん、に女の子の身体あげれるよッ……やっと、普通の子の身体、あげれるよ…っ』

声を押し殺して泣き散らしながら、中也にすがりついた。
こんなにも幸せなことがあるだろうか。
こんなにも望んでいたことが、他にあっただろうか。
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