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第18章 縁の時間


「……蝶ちゃん………吐き気と、下腹部の痛みに頭…だね?」

『!…は、い……何か、変ですか?……あ、その…卵子の件以外で』

か細い声でそう言った。
けれど、首領の返す言葉は私も中也も予想していなかったものだった。

「違う…その“逆”だよ。………これ…ほら!卵子!!あるよ、蝶ちゃん!!」

『え…っ』

「!?…首領っ、それどういう…!!」

中也と二人して、いっせいにモニターに釘付けになる。
恥ずかしいとか、そんな事を思っている場合じゃあない。

それ程までに信じられなくて、有り得ないはずの話なのだ。

「これ…ほら、成熟してる分が割れてる。多分蝶ちゃん今、急激に排卵を……!!蝶ちゃん、排卵期に関する知識はあるのかい!?」

『へ!?は、いらんって…え、と……その、単語と意味くらいなら知っ…?…な、んか気持ち悪……ッ』

「ああああ始まった!!!どうしようどうしよう!!?ここ女の子なんかもう帰っちゃって今いないんじゃ…っ!樋口君いたね今日!!!蝶ちゃんもうちょっとだけ待ってて、すぐに頼んでくるから!!」

首領がすぐにまた駆け出して行ってしまい、私と中也はまたその場に取り残される。
が、今は頭が冷静に機能しない。

だって、いきなり卵子とか言われたって意味分からないし……なんか、血塗れになってるし、お腹痛くて気持ち悪いし。

『な…に、これッ……血…?……ち、中也っ、私変ッ!変になって…』

「落ち着け!!さっき首領が言ってたろ!!……っ、俺も話でだけしか知らねえようなもんだったが…………排卵っつってたろ。…月経だよ、生理ってやつだ……多分」

『!!…何、それ……』

「…知らなかった、のか?」

『…………だっ、て…初めて、だし……女の子の友達なんてそんなに…』

少し顔を赤らめる中也に目を丸くされてから、少しして首領がまた戻って来る。

「蝶ちゃん!?首領に頼まれて急いで買ってきたけどどうしていきな…り……!!?ちょっ、中原さん、女の子のこんな時にどうしてそんなに見てるんですか!!?」

「まあまあ樋口君、これは不可抗力というやつで…中原君、男性陣は暫く退出だ。蝶ちゃん、形はどうあれ…おめでとう!!本当に…本当に良かった!!……また後でね」

「えっ、首領ッ……蝶!!?」

首領に引かれて出て行かされた中也。
医務室の中で、樋口さんと二人になった。
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