第18章 縁の時間
『は…っ、何そこ…、気持ち、悪……ッ…は…っ、…』
「ボ、首領…これは……腹痛…なんですか?」
「………蝶ちゃん、もう一回扉作ってもらえるかい?中原君は異能を使って、出来るだけ蝶ちゃんの身体に振動与えないようにして運び出して」
首領からの指示に従って扉を作れば、戸惑いながらも中也も私を浮かせて医務室に運ぶ。
多分ここで合ってるはず。
「今から検査の準備するから、中原君は傍についていてあげなさい…多分、本人が一番戸惑っちゃってるだろうから」
それだけ言って外へ出てしまった首領。
寝台の上で蹲っていれば、中也の手が私のお腹に添えられた。
『へ…ッ、?……な、んで…っ?』
「…痛ぇんだろ……ごめん、見ててやれなくて。毎度そうだ、本当…酷いことなんかお前は何も言ってねえ。俺がお前に寂しい思いさせて酷いことしてただけだ…何言ってくれても何思ってくれても構わねえから、自分の事だけ責めるのはやめろ」
『!………は…い……、…中也、手あったかい…』
「……暑くはねえか?」
『ん…ちょっと楽な気がする。あったかいの…好き』
ニヘラ、とはにかんだ所で首領が何かの機械を持って戻ってきた。
が、その機材を見て私も中也も目を見開いてその場で固まる。
「…首領?……それ…検査って…」
『………なんで、ですか?なんで私相手に…“エコー検査”なんか…』
「念のためだ…可能性としては十分に有り得る。なんといっても相手は中原君だからね、何が起きても不思議じゃない」
確かに、私の子宮に直接影響を及ぼしはしたけれど…それでも、エコーなんて見たところで、私の子宮に何がある?
私の生殖器官に、いったい何が起こり得る…?
「これ、中原君お願い」
「!は、はい…少し冷えるけど我慢してくれよ」
『え…まっ……ぁッ…えとっ…!』
浴衣を緩められ、下腹部からお腹全体にゲルのようなクリームのようなものを掌で広げられる。
く、擽ったい…普通の検査でもこうだから、そんなに好きじゃないのにこれ。
「蝶ちゃん肌が敏感すぎるからね、先に多めに塗っとかないと摩擦ですら心配で…見るよ」
『!?ちょっ、首領、見るって……ッ…ち、中也さんあっち向いて!!何かやだ!!』
「ああ!?やだってどういうこ『恥ずかしいから嫌!!こっち見ないで!!』…」
中也が顔を背けた瞬間に、首領の目が大きく開いた。