第18章 縁の時間
「こんな時間にまさか突然関西に召喚させられてしまうとは…しんどかったねえ蝶ちゃん。具合は?どこがどんな風に悪い?」
『首領…あ、の……変なんです』
「変?」
『………ダメだって、分かってるのに酷いこと言っちゃうの…思ってないような事言って傷付けちゃう、の。……頭で、分かってるのにちょっとした事でイライラして、それ抑えようとしたらなんか悲しくなって…』
首領が診てくださるということで、直接見たいからと私がここまで来てもらった。
能力を使う分には差し支えなかったのだけれど、わざわざ来てもらうだなんて我儘が過ぎただろうか。
「…うん、他は?何でも言って、ちょっとした事でもいいから」
『……そ、れで…思ってるのと違うこと、ばっかりしちゃって…焦っちゃったら暴走しちゃってどうしようもなくって………冷静になったり、色々考えたりしたら気分悪くなって…気持ち悪…い……ッ』
「気分が悪い…どの辺がとか、具体的にある?吐き気は?」
『頭…ちょっと痛くて気持ち悪い………のと、胸も気持ち悪くて、吐きそうなのに全然そんな風にならなくて…』
ふむ、と首領は私をまたじっと見てから、少しして私から視線を外す。
「中原君、今日蝶ちゃんに何かしたかい?」
「!…移動中と、つい先程…自覚なかっただけで、多分そうとう妬かせてしまっ「そういうのじゃなくて、輸血とか…なんかそういう、蝶ちゃんの身体に直接関係するような事。変なもの食べさせたとか飲ませたとか…」変なものは特に…夕食の後はジェラートとクレープと、それくら……」
「…中原君?」
「…あ…いや………関係ある、かは分からないんですがその…………中に、出しました。今日…それも少し前に」
「中に?中にって、どういう…「…最後まで、抱きました」………成程。…蝶ちゃん、一度今から横浜に……蝶ちゃん?」
首領が驚くのも無理はない…一番驚いているのは他の誰でもないこの私だ。
『…ッ、お腹…痛い……』
「お腹?…ごめんね、少し腕どけて…そう。……このあたり?」
首領が胃の辺りを少し手で抑えて、違うと首を振る。
そうじゃない、お腹なんだけどそうじゃなくって……
「じゃあこの辺?」
『…近、いけど……違……ッ!!…ん…ッ』
「!…ここ?」
おへその辺りを押していた手が下腹部に下がり、ピンポイントで痛むところを上から軽く押された。