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第18章 縁の時間


『おぃひぃ…♪』

「この時間帯に開いてるってことにびっくりだわ俺は…」

『ちゃんと確認してきた蝶の勝ち』

「確認してるあたりが抜かりなさすぎてお前らしいわ」

中也も食べるんだよ、とクレープを差し出せば、何故だか口を大きく開けて一口でとんでもない量を食べてしまった中也。

『………』

それにぷるぷると涙目になりながらも笑顔を保とうとすれば、中也が途端に焦り始めた。

「!?ちょ、蝶…っ、悪かったって!ちょっとしたいたずら心で……あーあー泣くな泣くな泣くな!!?すぐまた来るから次の分!!同じやつまた後で食わせてやるから!!」

『…本当……?』

「本当なんだろうねぇ素敵帽子?あんたうちの蝶になんて残酷な事を…」

「あんなに残忍なことってないよね、蝶ちゃん相手に。ポートマフィアの幹部様々だわ、残虐非道だねぇ?」

『!与謝野先生!……と、太宰さん』

ついで扱い!!?とショックを受ける太宰さん。
まあ無視だ、太宰さんだし。

ゲッ、と顔を顰めた中也。

「残酷って、手前ら好き勝手ばっか言って…」

『い、いいいいんだよ、中也が頼んでくれてたやつだし、蝶は全然…』

「残酷な事して悪かったですすんません!!!」

『あ…う……中也が謝っちゃダメなの…!』

「うぐっ…!!?」

飛び込むように中也のお腹に突っ込んで飛び付いた。

とりあえず中也を落ち着かせなければ。
いや、というか落ち着け自分、たかだか美味しい美味しいクレープを一口で半分以上食べられただけ。

一口、そう…

『一口……』

「やっぱ根に持ってんじゃねえか!!?」

『…これ全部中也が食べさせてくれたら許します』

小さくそう呟くと、与謝野先生と太宰さんがこちらに近寄って言ってくる。

「あーんなおっきい声で恋人宣言しておいて早速泣かせてるとか、あんたも罪な男だねぇ?」

「そうそう、それにキスマーク付けすぎ。気を付けなよ中也、蝶ちゃん一応また明後日から学校あるんだから」

『ついてちゃダメなの…?』

「「へ?」」

単純に疑問に思った事だ。
与謝野先生と太宰さんが口を揃えて間抜けな声を出す。

『だって蝶は中也のだから、中也の印がついてたって普通の「こいつは恥ずかしがるどころか嬉しがる奴なんだよ、言っとくが俺のせいじゃねえぞこれは」…』

何かおかしい事言ってるのかな私?
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