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僕の視線の先に

第2章 新緑



桜もさっさと散ってしまうし
この一年、急かされてるみたいだ。

教室から見えた桜は
あっという間に、新緑になった。




進路はまだ迷ってる。


一応、県内にある大学、と
親には伝えたけど。



本当は
作品の持ち込みが
出来そうで。
来週、編集の人と会うんだ。




無理でもいいんだ。
まずは

「見て欲しい」



それだ。





でも、親には、まだ言えない…






ぼんやりと、窓を見つめながら
ノートに落書きをした。




「ねぇ。」




後ろから、カナの声がした。

「いつも思うけど、絵、上手だよね。」




一応、マンガ家志望だからね。
カナには言ってないけど。



「単なる落書きだよ。」
何だか、くすぐったい気分だけど、
威張れるホドじゃないしな…






「ふぅん。昔から上手だったから、
漫画家目指してるのか、と思った。」




「え。」


思わず、固まってしまった。




「何でいきなり漫画家の話になるんだよ」




「絵が上手=漫画家かな、って。ユウスケ、描いてそう。」





ケイタ…
アイツ喋ったんじゃないだろうな。





「でも、ユウスケは、大学行くか。」





僕は何も言えなかった。








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