• テキストサイズ

僕の視線の先に

第1章 桜




「久しぶり」




僕が声出したもんだから
存在がバレた。



「久しぶり、って何だよ。同じ学校だし」



「何、冷たいなぁ。クラスは違ったし、久しぶりに同じクラスになったんじゃない。」



「今さら…小学校からだし、見飽きたよ。」



「またそんな事言って。あんた大学までは
一緒にならないでしょ。」


軽く笑いながら、
クラスの女子の輪に戻った。


カナ。
アイツも腐れ縁。



僕とケイタとカナは
小学校の時から一緒だった。



僕らの高校は
スポーツ、進学共に力を入れてる。



僕はもちろんスポーツじゃないが
家から近いし、
偏差値もクリアしていたから
迷わず、この高校にした。



ケイタはバスケ、
カナはバレーボール。
どちらもうちの高校は強豪。



「おれは、ユウスケがいるから。」



「私は制服かわいいし」




二人はそう言いながら、
入学式後早々、部活に向かった。





ケイタはクラスは一緒だったが
カナは1、2年とクラスは離れた。




「これも先生の仕業か?」





少し火照る気持ちを
悟られたくなかったから
窓の方を向いた。




桜は今日でだいぶ散るだろうな。





開いた窓から、
ひらひらと、花びらが舞い込んだ。










/ 162ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp