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占い師の憂鬱【デュラララ‼︎】

第1章 慇懃無礼


部屋を出て行った後にはすっかり飲み干されていたコーヒーカップが一杯置いてあった。
臨也は、そのコーヒーカップを持ち上げながら何時ものデスクに座り窓の外を眺める。
「未来を知る……ね。ある意味ではひどく烏滸がましく、ある意味では酷く哀れだ。どの道、彼女は彼女である限り災厄を振りまく邪魔者でしかないだろうね」
その口元が、作られたものではなく自然に歪に笑みをかたどってゆく。
ふいに、そのコーヒーカップは臨也の手から落とされて地面に落ちた。カーペットの敷かれている地面では大した衝撃もないのか鈍い音を立てて沈黙する。
その様をほくそ笑みながらパソコン前のデスクチェアに腰掛けた。
「楽しみだなぁ、楽しみだなぁ、楽しみだなぁ」
そう言って、男は子供のようにデスクチェアを回しながらひとりでにつぶやいていた。
この世界にはまだ俺の知らないことが山ほどある。まさか、未来を予知する少女が現れるなんて。
彼女は、人間なんだろうか。
それとも、首なしライダーや平和島静雄とともに『異常』な存在なのか。
彼の興味を惹きつける彼女という存在の現れに、臨也はその大きな人間愛を爆発させていた。
ああ、早く君に会いたいよ。
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