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占い師の憂鬱【デュラララ‼︎】

第3章 応接不暇


「っ!!ふっざけんなぁぁぁぁぁ、まちやがれ、いぃぃぃざぁぁぁやぁぁぁ!!!」
背後から静雄の怒号が聞こえるが、その横顔は我関せずを貫き通して涼しい顔つきをしている。
いきなりのお姫様抱っこにあたふたしながらも彼に問いかけた。
「あの、貴方は……」
「ん?……俺は折原臨也。素敵で無敵な情報屋さんだよ」
そう言って無敵で素敵に笑う情報屋さんに少女は得体の知れない不安を感じた。
「ああ、いきなりで驚いたよね。ごめんねぇ。でも、どうしても君を連れてきてほしいって人がいてさ」
その言葉に更に身をこわばらせる。
体に冷や汗が吹き出して、小さな震えが止まらなくなる。
無意識にその黒い服の裾を掴んでいた。
それに気づいているのか気づいていないのか、多分気がついていないふりをしながら男はまたもや衝撃的なことを口走る。
「大丈夫だよ、安心して。まだ渡すつもりはないから」
まだ、とはどういうことだろうか。
聞きたかったけれど、とてもじゃないけど聞けなかった。
その代わり、世界がまるで色を無くしたかのように暗転してゆく。そして少女はそのまま遠ざかる意識に身を任せた。
「あらら、凄い高熱だ。ずっと隠してたのかねぇ。というよりも、無視してた。が正しいのかな。まったく、年は高校生と言ったところか。もっと自分のことは大事にしなきゃダメだよ?楓ちゃん」
心配の色など毛ほどもない声で男は囁きかけた。

「心配するよ」
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