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占い師の憂鬱【デュラララ‼︎】

第1章 慇懃無礼


一ヶ月後 臨也サイド

「それで、貴方はこの少女を探して欲しいということでよろしいんですね」
臨也は差し出された一枚の写真を見つめる。そこに映っていたのは、まるでこの世のものではないかのような容姿端麗な少女の姿だった。いや、普通に見ればそこまで表現することもないだろう。だが、彼女の写真からでもわかるその強烈なまでの存在感が無意識に彼女の容姿を彩っていた。
艶やかな長い髪に、憂いを帯びた黒漆の双眸。透き通る様な肌は、不健康さをも感じてしまう。
「はい。我々の方でも捜索をしてはいるのですが、昨日からぱったりと連絡が途絶えてしまい部屋から出て行く姿が防犯カメラに収められていました」
依頼者は、中年のサラリーマンのような容姿をした男。これがまさか池袋に残る任侠の『倉田組』の幹部だと思う人はいないだろう。
臨也でさえ最初は顔をしかめたくらいだった。
「その子って、未来予知ができるんですよね?」
「……はい」
「では、俺が例え彼女の姿を見つけたとしても彼女もそれを知っているわけでしょう。イタチごっこじゃあるまいしこれは不毛なだけだと思うのですが」
「いえ、彼女は他人の未来を予知することは出来ても自分の未来を予知することはできませんから」
「へぇ、それはまた……可哀想に」
臨也は作った笑顔を更に引きながら呟く。
実に哀れな少女だよ。
未来を持たない、孤独な人間。
まぁ、人間と呼べるかどうかすら怪しいか。何故なら、彼女の存在は明らかに『異常』だから。
例えるなら、あの首なしライダーとか平和島静雄とか……と同じくした性質を持っている。
そう思えてならないんだ。
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