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占い師の憂鬱【デュラララ‼︎】

第2章 合縁奇縁


静雄は呆れたように少女の方を見やる。
「何言ってんだ。お前、自分のことくらいちゃんと大事にしてやれよ。こんな年していったい何があったのかはしらねーけどよ。普通の女なんだから、いくらでも楽しいことくらいあるだろ」
「……普通じゃ、ないと思います。私」
彼女はそう言って何かを悟っているかのように遠くを見つめる。
静雄は黙ってそれを見つめた。
「……」
「未来が、見えるんです」
一瞬の沈黙が訪れる。
いや、まさか謎の少女だとは思っていたがそんな超次元的なプラスアルファが付けられていたなんて誰も想像できるわけがない。
暫く頭を混乱させながら問いかける。
「それは、未来予知的なあれか?」
「……はい」
どうやら、嘘をついている気配はないがどうにも呑み込めない。
「ふーん、じゃあ俺のことも知ってんのか?」
「いえ、未来予知は全能とは違いますよ。あくまで未来を予知することができるというだけの話です。貴方の名前は……」
必死に予知作業をして彼の名前を割り出してみる。一番近い、この人が名前を呼ばれるであろう時期。
この人の名前を呼んでいるのは、黒い髪に黒い目の黒い服を着た真っ黒な男の人の姿。何やら、自販機が降って進入禁止のポールが突き刺さって……ってなにこれどういうこと。
「……予知で知れるのか?」
「…シズちゃん?」
取り敢えず聞こえた声をそのまま口に出せば、静雄の眉間には青筋が浮かび上がり今にも火山が噴火しそうなほどの怒りが込み上げているのが目に見えてとれた。
地震が起きているのかと錯覚するほどに。
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