第8章 下着屋の前で携帯は開くな
その小さな背中に問いかける。
「なぁ、ここって」
「あ、沖田さんここからは男子禁制なので絶対に入らないでくださいね。絶対にですからね!」
目の前に僅かに覗き見えるランジェリーな内装に一瞬で内容を察した。
「胸も寄せるほどねぇだろ」
「セクハラですか!?」
「安心しろィ、てめぇの貧相な体に興味なんざねぇから」
「な……なっ!!」
口をパクパクさせながら怒りに震える楓。
いや、実際着痩せするタイプで中身はまだあるのかもしれないが、これ以上言うと張り手でも飛んで来かねないのでやめることにした。
察するようになっただけ褒めて欲しい。