第6章 仲直りのごめんねって中々言い出せない
「……総悟と喧嘩したみたいだな。あいつは昔から一度機嫌を損ねると戻すのが大変でなぁ」
「……はは」
「でも、楓さんのことを嫌いになる事は絶対にないから、そこは安心してもいいぞ!ははは、ああ見えてあいつは君の事が心配でたまらないらしいからな!」
「心配……ですか……」
とてもそうには思えないけれど。
でも、近藤さんが言うのなら少しは心配してくれているのだろうか。
「余計なこと言わないでくれやせんか、近藤さん」
「おお、総悟か!いい所に来た。これから楓さんが生活必需品を買うというのだが一緒に案内してやってはもらえんか」
「ええっ!?」
「……はぁ?」
いや、さっきまで喧嘩したどうのこうのの流れでどうしてこうなるんですか。
よりにもよって今一番関わりたくない相手に買い物の案内役を任せた近藤さんの真意を測りかねる。
「ここの道もいつまでもわからないままじゃ困るだろう。夜の見回りは今日は総悟は丁度担当してないし、いい機会じゃないか」
「……他を当たってくだせェ」
その言葉に、心が痛む。
やっぱり、避けられているんだろうか。
そりゃ、言い過ぎたとは思うよ。
でも、そこまで怒らなくてもいいじゃない。
「……あの、沖田さん……」
「……」
「私からも……お願い、できますか?」