第4章 道案内で道を間違えられることがあるから気をつけろ
「え、じゃあ私が初めてあったあの三人方はそんなに偉い方だったんですか……!」
「いや、偉いって言っても君の場合はそんなに肩に力入れなくても大丈夫だと思うよ」
「そ、そうなんでしょうか?」
「うん、それに、逆に気を使うと落ち込むかもしれないし」
沖田隊長とかあからさまに不機嫌になって誰かを斬ってしまうかもしれない。
むしろこっちからそれはお願いしたいことだ。
あの人たちを怒らせるわけにはいかない。
「……そうなんですか……分かりました!」
いい子だなぁ。
「あの……ひとつお聞きしてもよろしいでしょうか?」
「……?」
「土方さんや、沖田さんから私のこと何か聞きました?」
くると思っていた。
そりゃ気になるよな。自分には記憶がないのに、相手には自分と過ごした時間があって。
不安にもなるよね。
でも、口止めされててそれは言えないんだ。きっと、楓さんももう既にあの三人に聞いたことがあるんだろう。
あの三人は、君が自分から過去を思い出さない限り君に過去を教えない気でいる。その中にどんな理由があるのかは分からないけれど、俺が口出しをしていい問題ではないんだろう。
「いや、俺はよく知らないよ」
ごめん。