第8章 強くなりたい。
「この山の向こうよ!」
かごめが犬夜叉の背中に乗り、前方の山を指差した。
「確かに邪気を感じます。」
雲母に乗る弥勒が言った。
「邪気…」
りんは、目を閉じて気配を感じた。
最近分かるようになった邪気の気配。
邪悪な、とても嫌な感じが山の向こうから伝わってくるのが分かる。
山を超えると、大きな街が見えてきた。
その街で最も大きな屋敷に一行は上陸した。
「大きな屋敷ね。」
かごめは目の前の門を見上げた。
「行くぞ。」
犬夜叉が大きな門を開ける。
「……なっ?!?」
中へ入ると、屋敷の中の人間がみな石化していた。
「これは…殺生石。」
弥勒が固まった石化に触れた。
「殺生石?!」
「ものすごい毒で出来た溶岩を殺生石と言います。屋敷の者はみなやられてしまったのでしょうか。」
りんも、殺生石に近づこうとした。
「こぉらりん!むやみに触れるな!!」
しかし、邪見に止められてしまった。
「とにかく中に進むぞ!」
犬夜叉が先に進んだ。