第8章 強くなりたい。
屋敷の中も、石になった人間がたくさんいた。
「無事な人は一人もいないの…?」
すると、大きな部屋の前についた。
「りん、お前はここでかごめ達と待ってろ。」
犬夜叉は弥勒と二人で部屋に入って行った。
上座の御簾の向こうに、灯りがついている。
「灯りですね。」
犬夜叉と弥勒が近づいて、御簾を開けた。
「…ぐすっ……あ、あなた方は…?」
そこには、とても美しい姫が一人涙をすすっていた。
その美しさに、犬夜叉と弥勒は息を飲んだ。
「なんとお美しいお方。どうされました?私どもが来たからもう安心ですよ。」
弥勒は美しい姫を目の前に身を乗り出した。
「屋敷の人達は石化してしまい、私だけが残ったのです……」
姫は小さな声で言った。
「この部屋の何処かにいるはずだぜ。石化した本人が!!」
犬夜叉が鉄砕牙を抜いた。
「ええ。この部屋から強い邪気を感じます。」
弥勒も部屋を見渡した。