第8章 強くなりたい。
バシッ!!
パァン!!!
「ふぅ……」
毎日の練習のお陰で、りんの弓矢はかなり上達した。
「すごいじゃないか。りん。」
「珊瑚さま!」
珊瑚はりんの放った矢をまじまじ見た。
「かごめちゃんの矢と似てるね。りんにも霊力があったんだね。」
「まだまだかごめさまのようには打てません。」
珊瑚はりんの隣に腰を降ろした。
「でもりんには殺生丸がいるから安心だろ?」
りんは、少し表情を歪めた。
「でも、いつも助けられっぱなしじゃダメだから…」
サァッと冷たい風が吹く。
「ねぇ、珊瑚さま。今度の妖怪退治、りんも連れて行ってくれませんか?」
「今度のって、西国の化け狐の退治にか?」
「はい。とても強い妖怪だから、かごめさまや珊瑚さまも行くんですよね?りんも連れていって下さい!!」
「でも…」
「みなさんに迷惑はかけません。阿吽を連れて行きます。危ないと思ったらちゃんと逃げます。自分にまだ力がないことはよく分かっています。でも、実戦をしなきゃ、いつまでたっても強くなれないから…」
りんは真剣な眼差しをした。
珊瑚も、そんなりんをじっと見つめた。
「……分かった。」