第7章 嫉妬心
夕飯を済ませた後、りんは外に出て夜風に当たっていた。
最近、殺生丸さま来てくれないなぁ。
寂しそうに星空を見上げる。
りんは、昼間の佐助の言葉を思い出した。
ーりんにそんなに想われているそいつは、幸せだなー
佐助には、強がりなこと言ったけど、本当は不安だった。
殺生丸さまは、りんのこんな気持ちを知ったら迷惑がるかも知れない…
はやく、会いにきて…殺生丸さま。
ヒュウウウウー!
風が冷たい。
りんは体を震わせた。
「…寒い。」
ふわっ…
突然、後ろから着物がかけられた。
「………殺生丸さま。」
りんの後ろに、殺生丸が立っていた。
りんは久しぶりの殺生丸に、びっくりして立ち上がった。
「これ、りんに?」
肩にかけられた着物を触って言った。
「そうだ。」
薄桃色の、可愛らしい着物。
「ありがとう。」
りんはにっこり笑った。