第5章 修羅の道を歩む巫女
「みんな大丈夫かな…」
りんが家の隅で膝をかかえながら言った。
「椛様がいれば、大丈夫です。」
茅がりんを見て言った。
バシッ!バシッ!
「飛来骨!!」
ガガガっ!!!
珊瑚とかごめは、遅い来る瘴気の雲と妖怪を次々と倒して行く。
しかし、倒しても倒しても、雲から湧き出てくる。
「ふふふ…お前のような人間の女が我を殺せるものか。いくら妖怪を倒しても所詮は女。粋がるのもいい加減にするのだな。」
雲外鏡の言葉に、椛は表情を歪めた。
キリ…
バシッ!!!
椛は雲外鏡の乗る黒い雲の渦目掛けて矢を放った。
雲はバラバラに飛び散って、椛の霊力で浄化された。
「ふふ、気づいたか。」
「次はお前だ!!!!」
椛は雲外鏡目掛けて矢を放った。
スー…
雲外鏡は手を差し出した。
すると、みるみる手のひらが硝子になり、椛の矢を写した。
ズズズズズ…!
「何っ?!」
雲外鏡の掌に、椛の矢が吸い込まれた。
「お前の矢、受けるが良い!」
バシッ!!
椛を目掛けて、雲外鏡の手から矢が放たれた。
「……!!!」
「飛来骨!!!」
バシッ!!!
矢は珊瑚の飛来骨によって、なんとか椛には当たらなかった。
「すまない…」
ガシャン!!
「きゃー!!!」
家が崩れる音がして、振り返ると楓の家を妖怪が襲っていた。
屋根が飛ばされ、りんと茅が妖怪に見つかった。
「茅!!!」