第1章 あの日から
邪見は人頭杖を美鈴に突きつけた。
美鈴はりんから視線を邪見に向けた。
「……お前はうるさい。」
手をかざすと、触れていないのに邪見の体が宙に浮いた。
ひょいっ、ブン!!
「え…うわぁーー?!?!」
邪見は窓から真っ逆さまに外へ放り投げられた。
「邪見様ーー!!!!!」
襖が開き外が見えた。
ここは、城の最上階だった。
りんは斬りつけられた手首を抑えた。
ポタポタと畳にりんの血が染み付いた。
涙目で美鈴を睨みつける。
「ひどいっ!!私達が何をしたっていうのよ!」
「お前達は殺生丸を誘き寄せる餌だ。お前の血の匂いを嗅ぎつけて、時期に殺生丸もこの城へ来るだろう。」
美鈴は、そう言うとりんに掌をかざした。
キンっ…
美鈴の目が一瞬赤く光った。
すると、りんの瞳から光が消えてその場に倒れこんだ。
「ふふふ、さぁ殺生丸よ。はやくこの城に来るのだ…!」