第1章 あの日から
「……んっ…」
りんは、目を覚まして起き上がると知らない部屋の中にいた。
(どこだろう…ここ…)
隣に目をやると、邪見がまだ気を失っていた。
「邪見様!邪見様起きて!」
「……ん〜、ふがっ?!」
邪見をゆさゆさ揺さぶると、やっと目を覚ました。
「どこじゃ、ここは!」
スっ…
襖が開いて、1人の女性が入ってきた。
真っ黒な長い紙を一つに束ね、黒い着物を身に纏っている、とても美しい女だ。
身なりからして、巫女だろうか…
「誰じゃ!!貴様!」
邪見がその女性に向かって言うと、女はふふっと微笑んだ。
「我が名は美鈴。そな達は殺生丸を呼び寄せる餌となってもらう。」
そう言うと、美鈴は刀を抜いていきなり、りんに切りかかった。
「きゃ?!」
りんはびっくりして尻餅をついた。
「……ぃたっ」
手首から血が流れる。
美鈴はりんの腕から血が流れたことを確認すると、刀を鞘に収めた。
「貴様〜!!いきなり何をするのだ!!」