• テキストサイズ

人間と妖怪の恋物語

第5章 修羅の道を歩む巫女


岩の上で、茅は摘んだ花を眺めて椛の帰りを待っていた。


「茅。」

「あっ椛様!もう終わったの?」

茅は椛を見つけると、持っていた花を捨て椛に駆け寄った。


「ああ、行こうか。」

茅を見て微笑むと、二人は歩き出した。

「椛様、次は何処に向かうの?」

「この先にある村で、今夜休める場所がないか探そう。」



「ねぇ…椛様。いつ私にも弓矢を教えてくれるの?」

茅の言葉に、椛は立ち止まり膝をつき、茅の顔を見た。

「そうだな。そろそろ茅にも教えてあげようか。」


「本当に?!やった!私も将来椛様みたいな強い巫女になりたい!」

椛は、表情を歪ませた。


「……私みたいなどに、なってはいけない。」

「え……どうして?」


「茅は私の本当の妹のように可愛い。茅には幸せになって欲しいのだ。」

茅の頬に手を添えて、椛は優しく微笑んだ。



「どうして?!椛様みたいになれたら茅、幸せだよ!!強くて、綺麗で、椛様は茅の憧れです!」


「ふふっありがとう茅。さぁ、行こうか。」


「はい…」

茅はぷくっと膨れて不満そうな顔をした。
/ 281ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp