第5章 修羅の道を歩む巫女
岩の上で、茅は摘んだ花を眺めて椛の帰りを待っていた。
「茅。」
「あっ椛様!もう終わったの?」
茅は椛を見つけると、持っていた花を捨て椛に駆け寄った。
「ああ、行こうか。」
茅を見て微笑むと、二人は歩き出した。
「椛様、次は何処に向かうの?」
「この先にある村で、今夜休める場所がないか探そう。」
「ねぇ…椛様。いつ私にも弓矢を教えてくれるの?」
茅の言葉に、椛は立ち止まり膝をつき、茅の顔を見た。
「そうだな。そろそろ茅にも教えてあげようか。」
「本当に?!やった!私も将来椛様みたいな強い巫女になりたい!」
椛は、表情を歪ませた。
「……私みたいなどに、なってはいけない。」
「え……どうして?」
「茅は私の本当の妹のように可愛い。茅には幸せになって欲しいのだ。」
茅の頬に手を添えて、椛は優しく微笑んだ。
「どうして?!椛様みたいになれたら茅、幸せだよ!!強くて、綺麗で、椛様は茅の憧れです!」
「ふふっありがとう茅。さぁ、行こうか。」
「はい…」
茅はぷくっと膨れて不満そうな顔をした。