第5章 修羅の道を歩む巫女
「あ、あの…ありがとうございます。」
少女は恐る恐る殺生丸に言った。
殺生丸は何も反応せずに、その場を立ち去った。
パチパチ…
「……んっ」
「あ、椛様!気がつかれましたか?」
椛は布団からゆっくりと起き上がった。
「茅(かや)、私は一体…」
茅は火に薪を放り込こんだ。
パチパチと火が燃えた。
「森の中で、倒れていたんです。」
「……」
椛は頭を押さえてゆっくりと思い出した。
あの物凄い妖気を纏った妖怪…
見逃してもらったか。
「椛様を見つけたときに、オオカミに襲われそうになったところを人間の姿をした妖怪に助けられました。」
「人間の姿をした…?」
「はい、長い銀髪にとても綺麗な顔をした妖怪でした。何故、助けてくれたのかは分かりませんが…」
茅の言葉に椛はハッとした。
あの妖怪……