第5章 修羅の道を歩む巫女
「…椛(もみじ)様ー!!椛様ー!!」
夜も深まった頃、森の中を一人の少女が歩き回っていた。
「あっ!椛様!!」
森の中に、倒れた椛を見つけた。
「椛様!しっかり!」
少女が呼びかけるが、椛は目を閉じたまま返事をしない。
「酷い傷…はやく手当をしなきゃ!」
すると、その時
ドカン!!!!
「きゃっ?!」
目の前に、狼が現れた。
「ガルルルルル…!」
少女の周りはあっという間に狼に囲まれた。
「………!」
少女は恐怖で立ちすくんだ。
「ガウッ!!!!」
一匹の狼が少女目掛けて飛びつこうとした。
少女は目をキュッと閉じた。
ザンっ!!!!
襲ってこない狼に、少女はゆっくりと目を開けた。
すると目の前には血を流して倒れる狼がいた。
顔を上げると、殺生丸が立っていた。
だ、だれ…??
少女は殺生丸を見つめた。
他の狼が殺生丸に飛び付いた。
しかし、殺生丸はいとも簡単にあっという間に全ての狼を殺した。