第5章 修羅の道を歩む巫女
「…はぁっ、誰だ。」
女は黒く長い髪を靡かせて、鋭い目付きで殺生丸を睨んだ。
女は全身に酷い傷を負っていた。
「何じゃ!!お前は!!」
邪見は人頭杖を女に突きつけて怒鳴った。
「…妖怪、死にたくなければ今すぐ立ち去れ。」
女の言葉に殺生丸は目を細めた。
「貴様!!殺生丸様に向かって何という口の聞き方!人間の女に殺生丸様が殺せると思うか!!」
殺生丸は黙って女を見た。
この人間…妖怪の血の匂いが体中に染み付いている。
「……っ!」
バタンっ!
突然、女は苦しそうな表情をしてその場に倒れてしまった。
「な、なんじゃあこいつ。デカイ口を叩いておいて倒れてしまったわい。殺生丸様、いかがいたしましょう?」
殺生丸は倒れた女の横を通り過ぎた。
「行くぞ。」