第4章 いつまでも一緒
「よくやったぞ!!りん!!」
部屋に戻ると、柳沢が酷く喜んでいた。
「あ、あの……」
「りん、お前は今日からお目見え以上だ。御手付き、と言ってな。上様に名を聞かれたらその夜寝屋を共にすることを許されるのだ!」
「え……」
柳沢の言葉を理解出来ないりん。
「もし、御手付きをされ子を設けることが出来たら、上様の側室になることが出来るぞ!!」
「そっ側室?!」
りんは驚いて声をあげた。
「よかったな!そなたはもう雑用ではない。今日から侍女を付けよう。その者達と今夜の準備に取り掛かるのだ!」
りんは、呆然と立ち尽くした。
城で働きに来たのが、まさかこんなことになるなんて…
もし側室になったらもう楓の家には帰れない。
それより、りんは殺生丸に想いを寄せているのだ。
それなのに、さっき初めて会った上様と、しかも今夜夜を共にするなんて……
りんは走って小夏のところへ向かった。