第4章 いつまでも一緒
「……小夏様っ!!」
「あらりん、おはようって…あなたその格好どうしたの?!」
小夏はりんを見て驚いた。
「柳沢様に、今日の朝早く来いと言われてっ、…それで、上様の前でお辞儀して待っていたら名前を聞かれて…今夜、寝屋を共にしろって…!」
りんは早口で小夏にさっきの出来事を訴えた。
「ちょ、ちょっと待ってりん!早くて何を言ってるか分からないわ!とりあえず、落ち着いて…」
りんと小夏は小さな部屋に入った。
そして、朝の出来事を詳しく小夏に話した。
「….…柳沢様は、最初からそういうつもりでりんをこの城に呼び寄せたのね。」
りんは今にも泣きそうな顔をした。
「あの人は側用人で、上様からの信頼も熱いの。」
「小夏様…今日の夜の事、断れないのですか??」
「それは、無理よ。一度上様にお声をかけて頂いたら断ることなんて出来ないわ。」
「そんな……」
りんは絶望した。
いつかは殺生丸と…
そんなことを密かに想っていたのに。
りんは城に働きに来たことを後悔した。
「それにしても、いきなり雑用から上様の御手付きになるなんて、前例がないと思うわ。」
もはやりんは小夏の言葉など頭に入ってこなかった。