第4章 いつまでも一緒
柳沢に案内されたのは、縦に長い部屋。
そこにはたくさんの女性たちが一列に並んでいた。
「りん、お前はここに座るんだ。」
りんは、一番奥に座った。
「ここに座って、上様が来たら頭を下げるんだ。」
「う、上様?!」
りんは驚いて柳沢の顔を見た。
「しっかりな!!」
「えっ、柳沢様っ!」
柳沢はそれだけ言うと行ってしまった。
りんは上様という言葉に困惑したが、取り敢えず正座をして待った。
暫くすると鈴の音が聞こえた。
「上様の御成ー!!!」
襖が開いて、中から男の人が出てきた。
あの人が、上様…?
りんは前の人に続いて深く頭を下げた。
上様が長い廊下をゆっくりと歩いて近づいてくる。
りんはドキドキと緊張しながら頭を下げていた。
ドキン…ドキン…
上様がりんの前に来て、通り過ぎようとした時、
「そこの者、面をあげよ。」
上様の言葉はまっすぐにりんにへと、向けられていた。
りんは突然話しかけられ驚いた。
そして、ゆっくりと顔を上る。
「…名は?」
「りんと、もうします…」
声が震えた。
それだけ聞くと、上様は通り過ぎていった。
その瞬間、部屋の中が騒ついたように感じた。