第4章 いつまでも一緒
「いってきまーす!」
次の日も、りんは元気に城へ向かった。
「おはようりん。」
「おはようございます!小夏様!」
今日も小夏と一緒に、上の方達の着物を運んだり、庭の掃き掃除や床磨きなど仕事をどんどんこなして行った。
「りん!この着物、大急ぎでお針子さん達に運んでおいて!」
小夏に大量の着物を渡された。
「わかりました!」
目の前が見えないくらいに積み上げられた着物。
りんはよたよたと廊下を歩いた。
「よいっ…しょ、ふぅ…着物もこんなにあると結構重いなぁー」
急いで廊下を曲がった瞬間、
ドン!!!
「きゃっ?!」
前から来た人とぶつかってしまった。
「も、申し訳ありません!!!」
りんは頭を床につけて誤った。
「いや大事ない。……ん?そなた、顔を上げよ。」
ぶつかった人にそう言われて恐る恐るりんは顔を上げた。
「あっ…」
「やはり!この前街で私が声をかけたりんではないか!城で働くことにしたのだな!」
ぶつかった相手は、りんにこの城で働かないかと誘ってきた男の人だった。
「お久しぶりです…」
「いやぁ、よく来てくれた。私の名は柳沢だ。」
柳沢は立派な着物を着ていた。
「お前を雑用にしておくのは勿体無い。…そうじゃりん、明日は朝少し早くここに参れ。お前、着物は持っておるか?」
「え、あ…はい。」
「ならば明日は着物をもう一枚別に持って参れ!よいな?」
「分かりました。」
柳沢は、りんの返事を聞くと満足したように行ってしまった。
なんで着物を…?
りんは不思議に思ったが、散らばった着物を見て慌てて集めて運んだ。