第4章 いつまでも一緒
「あなたには、城の掃除や雑用をしてもらいます。まずは、この部屋から掃除しましょう!」
そう言って小夏が襖を開けた。
目の前にはかなりの広さの部屋。
「ここは、上様の朝のご挨拶の時に使う部屋です。お目見え以上の人達が集まる部屋なので、掃除は念入りに。」
「お目見え以上?」
りんは小夏に聞いた。
「お目見え以上とは、上様に謁見出来る女中のことを言います。私やあなたはお目見え以下。お目見え以下になるには、有る程度の家柄か上様にお気に召されるしかないわねぇー」
すると、話していた小夏がいきなり止まり、頭を下げた。
前方から、たくさんの女中を連れた女の人が歩い来る。
「りん!あなたも頭を下げて!」
「は、はいっ」
りんは急いでお辞儀をした。
女性は、りんと小夏の前をゆっくりと通り過ぎて行った。
「…あのお方は葵様と言って上様のご側室、お目見え以上の方です。」
「葵様…」
あんなに綺麗な人が上様の側室なんだぁ。
「私たちとはまるで身分が違う人です。…さ!掃除、始めますよ!!」
「はいっ!」