• テキストサイズ

人間と妖怪の恋物語

第4章 いつまでも一緒


「あなたには、城の掃除や雑用をしてもらいます。まずは、この部屋から掃除しましょう!」

そう言って小夏が襖を開けた。
目の前にはかなりの広さの部屋。


「ここは、上様の朝のご挨拶の時に使う部屋です。お目見え以上の人達が集まる部屋なので、掃除は念入りに。」


「お目見え以上?」

りんは小夏に聞いた。

「お目見え以上とは、上様に謁見出来る女中のことを言います。私やあなたはお目見え以下。お目見え以下になるには、有る程度の家柄か上様にお気に召されるしかないわねぇー」


すると、話していた小夏がいきなり止まり、頭を下げた。

前方から、たくさんの女中を連れた女の人が歩い来る。


「りん!あなたも頭を下げて!」

「は、はいっ」

りんは急いでお辞儀をした。

女性は、りんと小夏の前をゆっくりと通り過ぎて行った。


「…あのお方は葵様と言って上様のご側室、お目見え以上の方です。」


「葵様…」

あんなに綺麗な人が上様の側室なんだぁ。


「私たちとはまるで身分が違う人です。…さ!掃除、始めますよ!!」


「はいっ!」


/ 281ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp