第20章 人間と妖怪の恋物語
翌朝、目覚めると隣に殺生丸の姿はなかった。
起き上がり、戸を開けると庭で葉月が水をまいていた。
「葉月、殺生丸様は?」
「おはようございます。朝早くお出かけになられました。帰りも遅いようです。。」
「そう…」
りんは着替えをして、朝食を済ませると葉月の仕事を少し手伝った。
昼が過ぎると、りんと葉月は茶を飲みながら庭の桜の木を眺めた。
花びらはどんどん散ってしまい、池が花びらで埋め尽くされる。
庭に降りてりんは池の水を手ですくった。
「えっ…」
りんのすくった花びらがたくさんの池の水が、一瞬まるで血のように赤く染まっているように見えた?
目をこすって再び見ると、手についたたくさんの花びらだけ。
見間違え…?
「…久しぶりに楓様の村に帰ろうかな。。」
最近暫く村へ帰っていなかった。
「準備しますね。」
りんは庭で採れたりんごをたくさん持って阿吽に跨った。
「じゃあ、後をよろしくね葉月。」
「はい。いってらっしゃいませ。」
みなさんに会うのは久しぶりだなぁ。
りんはぎゅっとりんごを抱きしめた。