第19章 守るもの
りんは久しぶりにかごめと珊瑚に会えた事が嬉しくて、張り切って夕飯の支度を始めた。
かごめと珊瑚も手伝って、豪華な夕飯があっという間に出来た。
「さ、食べましょう!」
かごめさまと珊瑚さまとこうして食事してると、村で過ごしていた頃の事を思い出すなぁ….
「それにしてもよかったよ。りんが元気になって。」
珊瑚がしみじみと言った。
かごめも大きく頷いている。
流産した事で、2人には本当に心配させてしまった。
「…赤ちゃんのことを忘れる日はないけど、今まで通り1日1日を楽しく過ごせるようになりました。でも…」
りんは箸を止めた。
「…その、殺生丸さまが…」
「殺生丸が?!また、屋敷を空けることが多くなったのね?!」
かごめが言うと、りんはふるふると首を横に振った。
「その…りんに、手を…出してくれなくなって。。」
りんは顔を赤くして消えそうになりそうな声で言った。
「…殺生丸も、りんちゃんのことをすごく気にしているのよ。」
それはりんもよく分かっていた。
自分を気遣って、そっとしておいてくれていることは。
でも、殺生丸さまに触れてほしい。
今夜も、殺生丸の帰らない寂しい夜を過ごさなければならない。