第3章 こいごころ
文句を言っているけど、内心はかごめが戻ってきてくれてとても喜んでいる犬夜叉。
りんは、そんな犬夜叉とかごめを見て羨ましく思った。
殺生丸と離れて暮らすようになって、3年。
私も、早く殺生丸様と一緒に暮らせるようになりたいなぁ。
後片付けをした後、りんは外に出て夜の風に当たっていた。
「りんちゃん。」
「かごめ様…」
かごめも、りんの隣に腰掛けた。
二人で満天の星空を見上げた。
「…りんちゃんは殺生丸と一緒にいると思ってたわ。」
「人里に帰れるようにって、殺生丸様が…」
「そうなの…」
りんはふぅっとため息をついた。
「かごめ様が戻って来てくれて、よかった。」
りんはかごめの顔を見て言った。
「ふふ、なんで?」
「だって、犬夜叉様は本当に寂しそうにしてましたよ。」
かごめは、空を見上げた。
「四魂の玉が消滅して、もうこの世界での私の役割は終わって、今度は自分の世界を生きていかなきゃいけないって思ったの。でも…やっぱり犬夜叉のいない世界で生きて行くことは、無理だったわ。」
犬夜叉とかごめ。
離れていても、いつもお互いを想いあっていた。
「すごいなーかごめ様は。」
「ん?」
「だって、離れていてもずっとお互いを想いあっているんですもん。」
りんは、羨ましそうに言った。
「殺生丸様、りんのこと忘れてないかな…」
ポロっ…
りんの頬を涙が伝った。