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人間と妖怪の恋物語

第18章 昔の恋人?



「……くっ」

瑠璃は、袖から数珠を取り出し、木賊丸に突き出した。


パァァァッ!!


「ぐあっ!!!」

首に巻きついていた蔓がゆるむ。


「瑠璃さん!」

かごめと珊瑚が近寄った。

瑠璃は首を抑えて、木賊丸を見つめる。


「…気をつけて下さい。あやつは死んではいない。」


ゴオオオオッ


「おのれ瑠璃め…」

木賊丸が立ち上がり、ギリッと睨みつけた。

かごめと珊瑚が瑠璃の前に出て庇う。

「あんた!なんで瑠璃さんのことを襲うの?!」


かごめは弓矢を引いた。


「決まっておろう。瑠璃の清らかな心と身体、この私がもらってくれよう。さぁ、大人しく私の妻となるのだ!!」


「……妻?」

かごめと珊瑚は呆れたように顔を見合わせた。


りんも木賊丸の言葉を聞いて驚いた。

(あの妖怪、瑠璃さんを殺したいんじゃないんだ。)


瑠璃はフラフラと立ち上がった。


「愚かな…誰がお前のようなものと。それにお前は勘違いをしている。」

瑠璃の言葉に、木賊丸は眉を潜めた。


「なに…?」


「お前は私の清らかな心と身体が欲しいと言ったな。私は清らかではない。」


どういう意味だ、と木賊丸は再び攻撃をしきた。

しかし、瑠璃は持っていた弓で弾き返した。

瑠璃の霊力に、かごめは驚いた。


ゴオオオオッ


すると、上空に殺生丸が現れた。


(殺生丸様…瑠璃さんに会いに…?)

殺生丸は上空から瑠璃達を見下ろす。



「…私は以前、殺生丸様というお方と契りを交わした事があるのです。」


「?!?!」

瑠璃の言葉に、その場に居合わせた全員に衝撃が走った。


「….…殺生丸様と、瑠璃さんが。。」

いつの間にか、珊瑚とかごめの後ろにいたりんに、二人は驚いた。


「り、りんちゃん?!いつから…」



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