第18章 昔の恋人?
瑠璃は目を閉じてじっと殺生丸を待った。
まだ歩き巫女を始めてすぐの頃、妖怪に襲われているところを、通りかかった殺生丸によって助けられた。
すると、瑠璃は閉じていた瞳をゆっくりと開けた。
ドガガガガ!!!
辺りの木々がなぎ倒された。
「何事?!」
かごめと珊瑚が立ち上がると、森の中から妖怪が現れた。
「…瑠璃、この私から逃げられると思ったか。」
緑色の長い髪に顔の半分を眼帯で覆った男がニヤリと笑った。
「…木賊丸、こんな所まで追いかけて来たのか。」
瑠璃は木賊丸と呼ばれた妖怪のことを知っているのか、目の前に現れても表情一つ変えなかった。
りんも驚いて木の影に隠れた。
「お前は私からは逃れられん。」
「…誰がお前のようなものと。」
木賊丸は腕を伸ばすと、蔓のようなものが生えてきて、瑠璃の身体にまとわりついた。
「瑠璃さん!!」
「飛来骨!!」
飛来骨が、木賊丸の蔓を打ち砕いた。
「ん…?なんだ貴様ら。」
木賊丸は、かごめ達を睨みつける。
「瑠璃さん!逃げて!!」
「逃しはせぬ!!」
再び蔓が瑠璃めがけて伸びた。
ドシュッ!
「うっ…」
蔓が瑠璃の喉に絡みつき、空へと突き上げられた。