第18章 昔の恋人?
「…殺生丸様っ!!」
瑠璃は息をきらして、殺生丸の前までやってきた。
殺生丸も、瑠璃の顔を見上げた。
「…りんちゃん。瑠璃さんって殺生丸の知り合い?」
かごめは驚いた様子でりんに問いかけた。
「分からない…」
りんも少し不安そうに、二人の様子をみた。
「お久しぶりです。私のこと覚えておりますか?」
瑠璃の様子から、殺生丸に対して相当な思い入れがあるようだ。
殺生丸はじっと瑠璃の顔を見つめた。
「…瑠璃か。」
ドキッ…
殺生丸の口から出た瑠璃の名に、りんの心は一瞬騒ついた。
「覚えてていただけて、嬉しいです。」
瑠璃はとても嬉しそうに言った。
(あの殺生丸が、人間の女の名を覚えていた…)
そこに居合わせるかごめ、楓、珊瑚、弥勒はとても気まずい雰囲気でりんをそっと見つめた。