第18章 昔の恋人?
「…では、どうぞよろしくお願いします。」
巫女の着物を身に纏った、とても美しい女性が楓に頭を下げた。
「楓様ー!!」
「…おお、りん。」
りんの声に楓と共にいた女性も振り返る。
「…これはこれは、なんとお美しい。」
ドガンッ!!!
女性に見惚れていた弥勒に、珊瑚の一撃が跳ぶ。
「弥勒様、いつからここに…」
「まぁ珊瑚。みんな紹介しよう。こちら歩き巫女の瑠璃様だ。」
瑠璃は、丁寧にお辞儀をした。
「…今夜一晩、この村にお世話になります。」
(すごく、綺麗な人…)
とても嬉しそうな様子の弥勒を、珊瑚が睨みつける。
「………っ!!」
すると、とても落ち着いた雰囲気だった瑠璃の表情が急に変わった。
「…どうかしましたか?」
かごめが聞くと、瑠璃は持っていた弓を落とした。
「…あの方は、殺生丸様…?」
「え??」
瑠璃の視線の先には、岩に腰掛ける殺生丸がの姿があった。
(瑠璃様、殺生丸様のこと知ってるの??」
りんは瑠璃の顔を見上げると、瞳から一筋の涙が流れ落ちた。
「…殺生丸様!!」
瑠璃は殺生丸の元へと走って行った。