第17章 小さな光
りんの体調はすっかり良くなっていたが、りんは部屋に篭るようになった。
思い浮かぶのは、顔も知らない我が子のこと。
あの日見た夢。
あの小さな光は我が子だったに違いない。
そんな事を思い出しては、りんは涙を流していた。
殺生丸はまた以前のように屋敷を空けることが多くなった。
りんのことを気遣って、敢えて自分が側にいないようにした方が、りんも思い詰めないと考えていたからだ。
なかなか元気を取り戻さないりんに、葉月と邪見も思い悩んでいた。
「……」
今日もりんは縁側に出て空を眺めていた。
するとー、
ドォン!!!!
上空から、殺生丸の母が屋敷へと尋ねてきた。
「ご、ご母堂様!!」
邪見が驚くと、殺生丸の母はじっとりんの顔を見つめた。
「…しばらくだな。りん。」
「は、はい…」
「少し出よう。」