第17章 小さな光
「…すぅ、すぅ…」
まだ眠っているりんの部屋に、月姫が姿を現した。
眠るりんの顔をじっと見つめた。
(……起きろ。)
月姫がスッと手をかざすと、りんの目がゆっくり開いた。
その瞳に光はない。
りんの身体はスッと起き上がると、力なく宙に浮いた。
「…ついて参れ。」
りんは、月姫と共に部屋から姿を消した。
「…りん様っ!りん様っ!」
葉月は結界の前で必死にりんの名前を呼んだ。
「阿吽!殺生丸様に知らせるのじゃ!」
邪見が言うと、阿吽は上空へ飛び立った。
スウッー…
目の前の結界が消えた。
「っ、邪見様!」
葉月はすぐに邪見と共にりんの部屋に向かった。