第17章 小さな光
殺生丸は月姫を見下ろした。
「……ふっ。」
月姫の言葉に何も言わず通り過ぎようとすると、
「…この戦国の世で最もお強い殺生丸様に釣り合うのは、やはり強いおなご。私こそ、殺生丸様の妻に相応しいかと。」
「…ぐだらん。」
月姫は立ち上がり、にっと微笑んだ。
「…ならば、あの人間の小娘を選ぶのですか。」
殺生丸は歩く足を止めた。
ゆっくり振り返り、鋭い瞳で睨み付けた。
「…死にたいのか。」
「今日は退散いたします。しかし、私は必ずあなた様の妻になってみせます。」
そう言うと、月姫は立ち去って行った。